獅子島で恐竜化石の新たな密集層「ボーンベッド」発見 島内3カ所目 白亜紀前期、カメの甲羅や大型は虫類の歯など採取 

2023年9月3日 20:47

3カ所目のボーンベッドで周囲の地層を説明する宇都宮聡さん=1日、長島町獅子島
 鹿児島県長島町などは3日、同町獅子島で3カ所目となる恐竜などの骨化石の密集層「ボーンベッド(BB)」を発見したと発表した。場所は島東部の海岸で、いずれも約1億1000万年前の白亜紀前期とみられる。発見した化石採集家の宇都宮聡さん(54)=大阪府東大阪市=らは「広範囲にわたっており、今後も新しい化石が見つかる可能性がある」としている。

 同日、町民向け説明会が町開発総合センターであり、宇都宮さんと東京都市大学の中島保寿准教授(41)=古生物学=が明らかにした。2人は島東部の海岸で2021年にBBを初確認。22年にも近くで2カ所目を発見した。

 宇都宮さんと中島准教授のチームは、町の依頼で本年度は8月29日から9月2日まで獅子島の化石を調査した。第2BBの南にある泥岩層で骨や骨片などの化石が多数露出しており、第3のBBと判断した。

 周辺からはカメの背甲や大型は虫類の歯の化石(白亜紀)などを採取。第1、第2BBでも新たな化石を多数発見したという。

 中島准教授は「白亜紀は劇的な生物進化が起きた時期。獅子島のBBは超高密度で、恐竜の進化や生息環境など、さまざまな研究発展に役立つはずだ」と解説した。

 獅子島で翼竜や首長竜の骨を発見し、南日本新聞こども新聞で「じつは恐竜王国!鹿児島県」を連載中の宇都宮さんは「これほどの密集層はなかなかない。獅子島は古生物のホットスポットだ」と話した。

 説明会では3カ所のBBで見つかった恐竜やカメ、ワニなどの化石を公開。町民が興味津々で見入った。
3カ所目のボーンベッドで見つかった、岩の表面に露出した複数の黒い化石=1日、長島町獅子島

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