犬猫の殺処分 2年連続ゼロ 「ミルクボランティア」で譲渡増、不妊去勢手術も進む 鹿児島市 

2023年9月5日 18:00

(資料写真)譲渡犬とふれあう親子=鹿児島市春山町の都市農村交流センター「お茶の里」
 鹿児島市議会は4日、本会議を開き、5議員が個人質問した。市は動物愛護管理センター(田上町)の犬猫の殺処分数が2021、22年度の2年連続でゼロだったと明らかにした。市生活衛生課は、市民ボランティアの取り組みや基金活用による不妊去勢手術でセンターの収容数が減ったことが要因とみている。

 市は21年度から「動物殺処分ゼロ」を目指し、収容される子猫の世話を市民らに依頼する「ミルクボランティア」を開始。22年度末までに計141匹が引き取られた。同年度からは公益財団法人「どうぶつ基金」を活用し、8月末までに飼い主のいない猫など計157匹に不妊去勢手術をした。

 02、12、22年度の各収容数は犬が817、417、72匹、猫が1935、1052、378匹で、ともに大きく減少。譲渡率は犬が30、57、64%、猫が2、10、77%と大幅に伸びた。このため、自然死を含む処分数は犬が455、102、4匹、猫が1891、951、88匹と減った。21、22年度は全て自然死だった。

 殺処分ゼロの機運の高まりなどでセンターの役割は保護・管理が中心になっている。同課は、殺処分に使っていた装置の維持管理が今後の課題とした。

 本会議で下鶴隆央市長は「(殺処分ゼロは)市民や関係団体の協力の成果だ」とし、施設改善については「市民の意見やニーズを把握し検討する」と述べた。

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