農業試験場跡に10管宿舎建設へ 鹿児島県、海保へ6000㎡売却方針 残る未利用区画は民間に売却 

2023年9月22日 9:13

海上保安庁が職員宿舎の建設を計画している県農業試験場跡地=21日、鹿児島市西谷山2丁目
 鹿児島県は21日、県有地である県農業試験場跡地(鹿児島市西谷山2丁目)の一部を海上保安庁に売却する方針を表明した。第10管区海上保安本部の職員宿舎用地に充てられる。農試跡は鹿児島市も活用候補地にしており、残る未利用区画は民間への売却に向け、2023年度内に一般競争入札を行う。

 県議会一般質問で長田康秀議員(自民、鹿児島市・鹿児島郡区)に答弁した。

 海保に売却するのは、鹿児島南特別支援学校の南側に隣接する31-2街区(1万2663平方メートル)のうち約6000平方メートル。同街区の残りは市の児童相談所整備候補地として確保している。民間売却するのは25、26街区(各1万9119平方メートル、2万3152平方メートル)。

 10管によると、宿舎は100戸程度が入る5~7階建てを構想。巡視船などが停泊する鹿児島港谷山2区(同市七ツ島2丁目)に近いメリットがある。25年度予算に土地購入経費を盛り込む意向で、県は同年度中の売却を予定する。

 市児相の整備地が農試跡に決まれば、全区画を売却するめどが立つことになる。路線地価を基にした売却総額は43億円に上ると見込まれ、山本周総務部長は取材に「一定規模の収入になり、さまざま施策の財源に充てられる」と述べた。
【地図】県農業試験場跡地の場所を確認する

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