乗用車は往復運賃800円アップ 通学は? 観光は? 桜島フェリー運賃改定案 不安や注文相次ぐ 

2023年9月28日 11:27

来夏の値上げを検討する桜島フェリー=27日、鹿児島市本港新町(下吹越愛莉撮影)
 鹿児島市船舶局は27日、2024年7月1日に値上げ予定の桜島フェリー運賃の改定案を示した。普通旅客の大人料金を50円増の250円、普通乗用車(車長4~5メートル未満)を400円増の2350円とするなどの内容。日頃利用する住民らに配慮し、通学定期券や回数券の割引率を増やす方針。フェリー事業は赤字が続いており、改定などで31年度末までの収支均衡を目指す。

 2023年4月からの減船に続く桜島フェリーの運賃値上げ。27日示された改定案に、鹿児島市の利用者からは「負担が増える」「観光客が減るのでは」と戸惑いや懸念の声も上がった。

 大人の普通旅客運賃は50円上がる。釣りと温泉のため週3回利用する小野3丁目の日高幸博さん(72)は「減便で不便になった上に値上げばかりする」と首をかしげる。「人件費や燃料費など経費削減の努力をすべきだ」と注文した。

 通学定期は80円増に抑えられ割引率も増える。それでも野尻町から通学する松陽高校1年、磯辺真愛さんは「3年間の定期券代となると、親に負担をかけてしまう」と困り顔だ。

 普通乗用車(車長4~5メートル未満)は400円の大幅増が示されている。往復では800円上がることになり、鹿児島港のフェリーターミナル内で働く50代女性は「レンタカーの乗り控えにより、観光客が減るのでは」と心配する。

 車の回数券も割引率は上がったものの運賃は高くなっており、市内の40代輸送業男性は「ほぼ毎日、少なくとも1台が養殖業のえさを輸送するため往復しており、積み重なる出費は痛手だ」と懸念した。

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