五穀豊穣に感謝 4年ぶり「油井の豊年踊り」に集落沸く 奄美大島・瀬戸内 

2023年9月30日 7:55

幕開けの演目で鎌を使い綱を切り落とそうとするシシ=29日、瀬戸内町油井
 旧暦8月15日に行われる奄美大島の伝統行事、豊年祭が29日、鹿児島県瀬戸内町の油井集落であった。新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶり。住民が県指定無形民俗文化財「油井の豊年踊り」を披露し、五穀豊穣(ほうじょう)に感謝した。

 集落の守り神が祭られる広場「ミャー」に住民や出身者が集まった。幕開けの「綱切り」では、まわし姿の男たちが約30メートルの綱を引き、仮面をつけた先払いとシシが現れ鎌で綱を切った。

 3度繰り返し、最後は切れた綱を土俵に埋めて田んぼに見立てた舞台を作った。その後、稲刈りや脱穀といった稲作にまつわる11の演目などを披露。芝居仕立てのユーモラスな踊りで広場を沸かせた。

 約30世帯50人の集落に人口を超える見物客が集まった。保存会の岡野弘明会長(70)は「久しぶりのにぎわいに元気がもらえた」と喜んだ。
収穫の喜びを表現する演目「力飯」=29日、瀬戸内町油井
幕開けの演目で鎌を使い綱を切り落とそうとするシシ=29日、瀬戸内町油井

文化・芸術・芸能   一覧
注目のニュース