秋の実りに感謝…名月の下、十五夜行事「ソラヨイ」 知覧 

2023年9月29日 21:29

満月の下、掛け声に合わせ輪になって踊りを披露する子どもたち=29日午後7時27分、南九州市知覧の中福良地区公民館
 国の重要無形民俗文化財「南薩摩の十五夜行事」の一つ「ソラヨイ」が29日夜、鹿児島県南九州市知覧であった。円すい形のわら帽子に締め込み姿の子どもたちが、相撲の四股に似た踊りで秋の実りに感謝した。

 中福良地区公民館の広場では、中秋の名月の下で7~12歳の男の子8人が入場。「それは良い」を意味する「ソラヨイ、ソラヨイ、ソラヨイヨイヨイ」の掛け声と共に輪になって回り、元気に地面を踏みしめた。先導役を務めた櫛山漸君(12)は「力いっぱいの声が出せた。代々続く大事な行事なのでずっと守っていきたい」と話した。

 山の神に扮(ふん)した子どもが四股を踏んで大地の神と交信するとされる。かつては20以上の集落で行われたが少子化で苦境に陥り、今年は4カ所ほどだった。この夜5人の踊り手で行った浮辺地区は、これを最後に休止する。
(別カット)収穫に感謝し豊作を祈る踊りを披露する「ソラヨイ」=29日午後7時25分、南九州市知覧の中福良地区公民館

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