10月から始まるインボイス制度に備え…ハンコ業界に想定外の特需 店主も驚き「元号変わった時より注文多い」 

2023年9月30日 17:28

レジ横でPRされているインボイス印=28日、鹿児島市南栄6丁目の一番堂ハンヤ
 10月1日から消費税のインボイス(適格請求書)制度が始まる。鹿児島県内の関係機関には今も制度の概要を尋ねる相談が続く。登録を済ませた事業者は、複数税率(10%と8%)などを記した請求書類を発行する必要があり、登録番号のスタンプを求めるケースも少なくない。このため印鑑を製造する企業に思わぬ特需も出ている。

 鹿児島税務署によると、インボイス発行事業者として登録を終えたのは、消費税の納税義務がある課税事業者3万6000件のうち87%(8月末)。免税事業者では1万件。同署が9月に開いた説明会には定員を超える申し込みがあった。

 鹿児島商工会議所にも「制度が分からない」「どう対応すればいいか」という相談が続く。「思ったより駆け込みの問い合わせは少ない」(担当者)とはいえ、10月以降もセミナーなどで周知していく。

 「元号が平成から令和に変わるタイミングより需要が大きい」と驚くのは、印鑑を製造・販売する一番堂ハンヤ(鹿児島市)の林政博社長。インボイス制度が始まると、請求書や領収書ごとに税率・登録番号を記載する必要があるためだ。

 レシートに押印できる小型スタンプや、社名と登録番号がセットになったタイプまで多くの種類をそろえる。8月中旬からネットを中心に、県内だけでなく関東、関西の企業から注文が多く入った。売り上げは通常時の2倍になっている。

 林社長は「登録番号が印字されていない領収書の在庫があったり、費用面からレジのシステム改修に踏み切れなかったりして、印鑑でしのごうと考えるケースが多いのでは」と推測する。

 九州デジタルソリューションズ(熊本)鹿児島営業グループによると、インボイス向けのシステム相談は2カ月前がピーク。現在は全事業者で義務となる年明けからの改正電子帳簿保存法への対応が中心になっている。
印鑑の組み立てを進める製造ラインの担当者=28日、鹿児島市南栄6丁目の一番堂ハンヤ

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