「火ぶた切れ」「放てー」 鉄砲伝来の地に響く火縄銃のごう音 480年前の歴史に思いはせる 南種子・門倉岬 

2023年10月1日 20:42

漂着地を望む高台から威勢よく試射する南種子町の鉄砲隊=1日、同町西之
 鹿児島県の種子島最南端、南種子町西之の門倉岬で1日、鉄砲伝来480年の記念式典があった。同町の鉄砲隊が、中国船の漂着地を望む高台から火縄銃のごう音を響かせ、観客とともに歴史に思いをはせた。

 中国船には鉄砲を携えたポルトガル人が乗船しており、1543年8月25日、岬の下に広がる前之浜海岸に漂着したとされる。

 同町では火縄銃ならではの射撃を伝承しようと、35年前に有志で種子島火縄銃保存会南部鉄砲隊を発足。式典ではよろいや陣羽織を着けた5人が海に向かって整列し、隊長の「火ぶたを切れ」「放て」の号令で一斉撃ちや連射を披露した。

 保存会の石堂和雄会長(75)は「古式にのっとった流儀を後世に残すべく練習してきた。歴史的なこの地で伝統を引き継ぐことを約束したい」と話した。
〈別カット〉漂着地を望む高台から威勢よく試射する南種子町の鉄砲隊=1日、同町西之

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