自衛隊艦艇の拠点 古仁屋港に整備へ 20日にもボーリング調査開始、漁業補償なし 瀬戸内 

2023年10月3日 7:20

防衛省が艦艇の拠点整備に向け調査する古仁屋港須手地区=2日、瀬戸内町手安
 鹿児島県瀬戸内町の古仁屋港須手地区に自衛隊艦艇の輸送・補給拠点となる係留施設などの整備を計画する防衛省が、地盤の強さなどを把握するボーリング調査を20日にも開始すると地元関係者へ伝えたことが分かった。

 同町や瀬戸内漁業協同組合に9月下旬、同省関係者と調査業務を請け負う業者が日程などを説明した。

 漁協によると、調査は20日ごろ開始予定で12月末まで。翌年1月を予備期間とした。港の岸壁周辺の海上18カ所で実施。周辺海域の安全を確保するため監視船業務などを組合に依頼する意向も示した。補償の話はなかった。

 一帯は漁場としての実績が多くなく、漁協は「影響は少ない」としている。同省の説明後、会合を開き組合員の意見を聞いたが目立った反対はなく、9月末に同意した。

 計画は南西地域の防衛力強化に向け、不足する輸送や物資補給の基盤を整え、部隊の機動展開能力向上を図る。係留施設のほか、燃料タンクや倉庫、隊庁舎の整備も検討。本年度は適地調査の関連費用として6億円を計上している。

 ボーリング調査は陸上3カ所を含む計21カ所で実施し、地形を探る測量なども行う。結果を受け、施設の規模や配置など整備計画を検討する。
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