南九州市知覧中福良校区保護者講演家庭教育をテーマに、7月5日の夜8時から南九州市知覧の中福良校区で保護者約30人に1時間話をしました。新聞を読むことが子どもたちの学力向上につながることを、調査結果を示して紹介。「子は親の背中を見て育つ」ので、親から興味を持ってもらおうと、あらためて紙の新聞の良さを伝えました。

意外かもしれませんが、サイバーエージェントやグリーなどIT企業の社長さんたちは紙の新聞を読んでいます(日本新聞協会の新聞応援団インタビュー特集)。社長さんたちは「ページをめくると、思わぬニュースと出合えること」を一番の良さとして挙げています。また、また「記事に信頼性、正確性があること」を新聞の強みとしています。

紙の特長は何と言ってもこの一覧性です。紙の新聞を広げると十数個の見出しがいっぺんに目に飛び込んできます。携帯やパソコンの画面ではこうはいきません。スクロールしないと全体像が把握できません。私たちは仕事でも家庭でも書類を回覧するときは印刷して紙で見ます。紙の方が見やすいことを知っているのです。一方で、ネットは情報が大量にあり、知りたいことをすぐに調べられます。新聞でわからない言葉があればネットで調べる-そんな媒体のいいとこ取りをして情報を集めていただきたいと思います。

家庭でも使える学習法を記したパンフレットやワークシートも配布しました。知っている言葉や漢字に丸印をつける、気になる記事をスクラップして感想を記してみてください。子どもたちはまず言葉を覚えるところから。言葉を覚えれば文章がわかり、読解力もつく。親子で質問し、学習したことについて話し合えば、より学力の向上につながることを紹介しました。

今の世の中で起こっていること(ニュース)と世の中の人が考えていることが載っている新聞。新聞を少しずつでも毎日読んでいけば、子どもたちは常識や他人の考えを知って、はじめて自分の考えをつくっていくことができる。もちろん子どもたちの成長には体験や体力も大事です。でも知恵の面では新聞はお手伝いすることができます。

最後は新聞をめくりながら質疑応答もしました。みなさんは最後まで熱心に聴いてくれました。ふだんから新聞で音読をしているという同市知覧町永里の無職室屋親男さん(68)は「新聞のことがあらためてわかって、子どもたちに新聞をすすめてみたいと思いました」と話してくださいました。

(角倉貴之)