鹿児島市の坂元台小学校で7月11日、PTA家庭教育学級の皆さんと話をしました。20人余りのお母さんたちが参加。子どもたちの教育に新聞を生かせるか。実際の記事に見出しを考えて付けてみるといった実習を交えながら2時間過ごしました。
新聞記事は要点をうまくまとめることを目指しています。しかも、重要なことから先に書いてあります。見出しはそんな記事をうまくまとめ上げたもの、と期待されています。だから新聞記事に親しむことは読解力につながります。さらに、社会の動きを報じていますから、いわば生きた教材でありたいところです。
上げる。挙げる。揚げる。この3つのうち、祝杯を―の場合は? 挙げるです。上る。登る。昇る。この3つで、投手がマウンドに―は? 登るです。登板と言いますよね。などと、用語のクイズもしました。
最後に東北大震災の被災地に半年後と1年後に行った際の写真を見てもらい、復興基本計画で防波堤は従来通りの低いままでまちづくりを考えている自治体の例を紹介。私たち人間は決して自然と対決して生きられない。自然と共に生きるしかありません。
そんな人間社会で成長する子どもたちに求められる教育について、学校教育法(30条2項)は、「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識および技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養う」としています。目の前の学校の試験も大切ですが、社会を生き抜くための勉強を法は求めているのですね。新聞はそのための生きた教材とは言えるかもしれません。
(宮下 正昭)