志學館大学後期講義1以前は新聞がリビングに置いてあっても読むことはありませんでしたが最近は自分の興味のある分野については読むようになりました。授業を受けておかたいイメージが消えたおかげです」(法学部2年・藤川ひかりさん)。「新聞の読み方を学び、読むことが苦にならなくなった」(法学部3年・安藤啓志さん)。「新聞で読んだ出来事を口頭で解説されると、また違った印象を受けました」(人間関係学部2年・坂口絢乃さん)。

これは志學館大学(鹿児島市)の後期講義で2013年9月27日から14年1月24日まで毎週金曜日に行われた「新聞で読み解く現代」(全15回)受講生の感想です。この講義は毎回、新聞紙面を使い時事問題を考えるものでした。同大と南日本新聞社が共同で準備を進め、新設した講義です。法学部の小山正俊教授が9回、南日本新聞社員が6回担当しました。教養科目で1~4年生107人が履修。学生からは、ほかにも「読むようになった」「おかたいイメージが消えた」「母と新聞の1面について話すようになった」などの感想が寄せられ、好評でした。

志學館大学後期講義2「小山教授は新聞記事から専門の社会保障へ話を発展させました。将来、年金制度を支えないといけない学生たちに2030年度には1.6人で1人の高齢者を支えないといけない予測を紹介、考えさせました。南日本新聞連載の「つながりたい―ネット世代のリアル」を読ませてSNS(会員制交流サイト)の使い方を考えさせた講義もありました。学生たちは、ふだん使っているツールに関することだけに興味津々でした。学生を5、6人のグループに分け、新聞記事を読ませてお互いの感想を述べ合う回もありました。また、同社作成の用語集「現代キーワード」の中から小テストを続けました。

同社の読者センター・角倉貴之は4回担当しました。政治経済から文化まで記事を基に就職対策を兼ねた一般教養問題を毎回15問ほど出し、ニュースの流れを解説しました。11月には読者センター記者の中原克巳が「震災報道をふりかえって―福島の2年半」と題し講演。東日本大震災被災地の4度の取材を基に、放射性物質を心配して子どもたちが外で遊べない当時の状況などを伝えました。学生たちは「現地の実状をわかっていなかった」と一様に驚いていました。12月は報道部記者の三島盛義が「事件は現場で起こっている」の題で話しました。離島医療の現実、孤独死問題、ギャンブル依存症…さまざまな現場を紹介。「現場とは物理的な場所だけでなく人を知り、人から話を聞くことも指す。みなさんもまず『打席』に立って挑戦してほしい」と学生を激励しました。

講演を聞いた法学部3年の大石桃子さんは「現場の臨場感がひしひしと伝わってきた」。講義を通して、人間関係学部3年の川添裕希さんは「情報の重要さを知り、父が毎朝、新聞を広げて熱心に読んでいた姿が社会人のあるべき姿とわかった。自分もそういった社会人になりたい」と感想を寄せてくれました。

(角倉貴之)